私は北の大地、北海道北斗市にて3人兄弟の末っ子として育ちました。海と山に囲まれた地域という事から夏は朝から海で泳ぎ肌は真っ黒に日に焼け、冬は日が暮れるまでスキーに行く事が当たり前でした。父がアウトドア好きで家族でキャンプへ出かけたり、まだ歩く事すら出来ない私を父が背負って登山へ行く事もありました。父の影響もあり幼少期から運動神経が良くとにかく足が速かったです。
毎日のように「お父さん！今から走ってくるからタイム計ってて！！」とスポーツが大好きな活発な子供でした。そのおかげで小学生の運動会では6年間リレーの選手でした。
田舎で育った幼い頃のこの経験から「自然でいる事」がベストだと教わった気がします。そんな田舎育ちの私が初めて家族旅行で東京へ来たのは小学3年生の時でした。当時の衝撃は今でも忘れる事はありません。東京の人達はどうしてみんな急いでいるのだろう...。自分と同年代の子がランドセルを背負い1人で電車に乗っている...。しかも本を片手に行儀良く読書をしている。私が育った田舎では考えられない光景でした

金銭面で両親には迷惑をかけまいと、都内の美容室に住み込みで働かせてもらいながら、美容師免許を取得しました。
過酷なサロンワークで失敗を繰り返し、先輩から沢山のお叱りを受ける毎日。決して「楽しい」と言える環境ではありませんでした。寮生活をしていた為、消灯後は二段ベットの上で寝ている先輩に気づかれぬように、枕を濡らす日々が続いていました。何度も心が折れそうになりましたが、「美容師になる夢を諦める」という選択肢はありませんでした。専門学校の学費も奨学金制度を利用し卒業後、約5年かけて返済しました。辛い事もあったが思い返すと勉強になる事ばかりでした。朝は誰よりも早起きをして掃除や朝練に励み、営業終了後は深夜に先輩達が帰るまで練習を続けていた。努力は絶対に報われる、この環境を乗り越えないと美容師になれないのだと言い聞かせてアシスタント時代を過ごしました。働いていたサロンの先輩の1人が女優やモデルさんのヘアメイクを担当しており、現場にアシスタントとして同行させてもらう機会が増えました。それと同時にヘアメイクの仕事に興味を持ち始めサロンワークをしながらヘアメイク事務所に所属しようと行動を始めまたがどこの事務所も最終学歴が「高卒以上」である事が条件でした。

スタイリストになり、自分を指名して下さるお客様が増え「ありがとう」と感謝される仕事に喜びを感じ、自信を持てるようになりました。同時に少しずつヘアメイクの仕事をするようになり、多忙な毎日を過ごしていました。
早朝から夕方までは外部の撮影へ行き、その後サロンへ出勤するという日々で休日はほとんどありませんでしたが、ヘアメイクと美容師の仕事どちらも充実している時間がとても楽しかったです。しかしサロンワークとヘアメイクの仕事を両立させる事が難しくなり、せっかく指名をして下さるお客様にも私の都合に合わせてお店に来て頂いたり、ヘアメイクの仕事時間が予定よりも延びて、お店へ行けずお客様をお断りする等、迷惑をかける事が多くなってしまいました。そして、考えた末、当時勤めていたお店を退社し、面貸しサロンでフリーランスの美容師として働く事を決めました。

フリーランスで美容師をしながらもっとヘアメイクとして仕事の幅を広げたいと考えていた頃、テレビ局のヘアメイクを募集してるという記事を目にし、早速アポを取り渋谷に足を運びそこで出会ったのがINTI代表宮本氏でした。宮本氏はサロンワークをしながら有名なアーティストや女優さんの専属ヘアメイクを担当しており宮本氏が話す事全てが興味深く、私も同じ働き方をしたいと思いテレビ局でヘアメイクの仕事をするようになりました。その後も宮本氏と一緒にアーティストのLIVE、MV撮影など様々な現場に行かせて頂きました。そしてある時宮本氏から「INTIで美容師として働いてみないか」と声をかけて頂き、しばらく考えた末にINTI入社を決めました。入社してからは必死で学ばせて頂く毎日です。今でも新たな発見が沢山あります。
入社後、先輩達の仕事に対する熱意に圧倒されたのをよく覚えています。今まで私が出会った事のないプロフェッショナルな美容師の方達と私もINTIの一員として仕事が出来るのかという不安と楽しみが混じり合い興奮してしまいました。INTIで初めてお客様を担当させて頂いた日、10年間美容師人生の中で感じた事のない思いがありました。お客様がお帰りになる際に「来て良かったです。有難う」と仰ってくださった事が心から嬉しかったです。